カフェ ユーフラテス 再び

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ニコリと笑って、千恵さんが奥に消えて行った。 「もしかして、あんまりお腹が空いてない?」 もしかしなくても空いてないべ。 「お昼ご飯、食べてからそんなに時間が経ってないしね。」 「そっか、でも甘い物は別腹って言うから、別腹に入れればいいよね?」 小首を傾げて可愛らしい藤木についつい頷いてしまったら嬉しそうに笑ったから、別腹にパフェを入れる覚悟をしたべ。 一週間、会えない間にどうしていたのかなんていう話をしながらパフェとコーヒーを待った。 藤木は、水曜日は同じ会社の人と夕飯を食べに行って、それなりに楽しかったと言っていた。 そっか、だから駅で待ち伏せしてくれなかったのか。 そう思っていたら。 「もしかして、会えるかもって期待してた?駅で。」 ウホッ。 思ったけど、聞いてくるなよ。 「ちょこらびっとね。」 「そっか。じゃぁ、今週はエリーと一緒に帰るよ。」 ふふっと笑いながら、カウンターの下にある私の手に手を重ねたりして。 ドキドキさせてくるべ。 あんなこととかこんなこととか、凄いことをした仲だっていうのに、一週間接触がなくて手を握られるって、ドキドキすんべ。 私も、月曜日にイッシーに会ったことを話した。 もちろん、プロポーズ云々なんて話はしていない。 それは、トップシークレットだから。 「お待たせしました~。」 デーンと鎮座するスペシャルパフェ。 前に見たときと同じように、デカいべ。 そして、重量感もありそうだし、見てるだけで胸やけものだべ。 ホットコーヒーもやってきたからホッとした。 ニコニコしながらスプーンを渡された。 仕方がないべ。 別腹に入れるべ。 甘い物の不思議なところは、なんか食べられないかもしれないと思いながら一口目を食べても、美味しいところだべ。 「まいう~。」 私が言えば、藤木も笑って 「まいう~。」 と言う。
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