まん類ホームラン

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コンビニに手を繋いで笑いながら入店する私と藤木は、誰がどうみたって仲良しカップルだ。 もしかしたら、仲良し爽やかカップルに見えるかもしれない。 そして、間違っても変態カップルには見えないはずだべ。 実際の私と藤木は、ブラ男に萌える私と、私のワッキーに燃える藤木のほんのちょっぴり変態テイストなカップルだべ。 もちろん、誰にも言えないスウィートな秘密だ。 「ええと、ドライイーストってのがいるんだけどなぁ。」 藤木がブツブツ言いながら歩くのについて行くけれども、小麦粉類が置いてあるところにないべ。 ベーキングパウダーは置いてあるけど、ドライイーストはないべ。 「もしかして、ないのかなぁ。」 ないべ。 この辺りに置いてなかったら、確実にないべ。 「仕方がない、もう少し先にスーパーがあるからそこに行こうか。豚肉もなかった気がするし。」 こらこらこらこら。 もしも、ここでドライイーストを入手して家に帰って豚肉がなかったらそのスーパーまでまた行ったってことか? こんなんで、大手企業でちゃんと勤まっているのか怪しいべ。 「もう、エリーってば、そんなガッカリした顔しないでよ。プリン買ってあげるから機嫌直して?」 脱力したべ。 ガッカリしてないし、プリンはきっと藤木が食べたいだけだ。 なぜなら、タマゴ製品だからだべ。 こうなったら自棄だっ。 「プリンよりも茶碗蒸しのが食べたい。」 「ふふっ。さすがエリー。エリーもやっぱりタマゴが好きなんだね♪」 違う、断じて違う。 パフェを食べたのにプリンを買おうとする藤木がおかしいだけだべっ。 藤木に連れられ、コンビニの冷蔵庫の前に行く。 ふーん、あんまりコンビニってこないけど、いろいろ売ってるべ。 だいたい、コンビニの冷蔵庫なんて最後に覗いたのがいつだか思い出せないくらい前だべ。
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