まん類ホームラン

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ガサガサとコンビニの袋を下げてスーパーに行くって、ちょっとおかしくないか? 細かいことは気にしないでおこう。 「エリーが気が短くなくて良かった。」 ふふふっと口元から笑いを零す姿に胸が疼いた。 何で、こんなに可愛いんだろう。 夕焼けが藤木の顔を赤く染める。 「茶碗蒸しも作ればよかったかなぁ。でも、まん類も蒸さないとダメだし、やっぱり買って正解だったね。」 ご機嫌の様子です。 最近の一人暮らし男子は茶碗蒸しも作れるのか!? ちなみに、私は、作れない。 取説、もとい、レシピを見たら作れるだろうけれども、作ったことはないべ。 「茶碗蒸し、作れるの?」 「うん。プリンもね。だいたいのタマゴ料理は作れると思うよ?」 なるほど。 物凄くお料理上手なわけじゃないべ。 タマゴ料理に特化してるんだべ。 「ふふふっ。」 また、楽しそうに口元から笑いを零してる。 「人間もタマゴから生まれるならいいのに。そしたら、僕、一生懸命に温めるんだけどな。」 隣を歩く藤木にトサカを付けた姿を想像してしまったべ。 トサカよりもブラのが似合う。 そうだべ、ブラの中にタマゴを入れて温めたら・・・Bカップくらいになるんじゃないべか? 可愛いべ。 「何でニヤニヤしてるの?あっ、どうせ、またタマゴって言ってるよ、バッカじゃないって思ってるんでしょう?」 ふわっと笑った顔。 「いやいや、ブラの中でタマゴを温めてる様子を想像しただけだよ。」 「ぶはっ。僕よりもエリーの方がバッカだね。」 体を揺らして笑う藤木からの振動が私に伝わる。 多分、どっちもバカだべ。 だけど、好きな人とバカな話をしたり、バカなことができるってのは幸せだべ。
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