まん類ホームラン

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藤木がまん皮様を伸ばす隣で私は、藤木特製の肉まんの具をまん皮様に載せて、包み込んだ。 上の部分を捻ってとめるみたいだよと藤木にアドバイスされたとおりに捻りまくりだべ。 「なんか小さい気がするけど、いいの?」 「蒸すと膨らむから大丈夫じゃない?」 そうか、蒸すと膨らむのか。 「蒸すと膨らむ。へへへっ。」 くだらないことを思いついて笑っていたら、藤木にばれてしまったべ。 「何を考えて笑ってるのさ。」 蒸すと膨らむ。 蒸すと膨らむ。 ムスと膨らむ。 ムスコ膨らむ。 「いや、何でもない。美味しく膨らんだ様子を想像しただけ。」 「ふーん。肉まん作ったらチョコまんもね。チョコまんは小さ目がいいみたいだよ。」 肉まんの皮よりも小さく、半分くらいしかない丸いまん皮様だべ。 せっせと肉まんを包んでチョコまんに取り掛かってる横で、藤木は蒸す用意をしだしたべ。 肉まんが終了して、チョコまんに。 期待で胸が膨らむべ。 食べたことのないチョコまん。 どんな美味しさなのか。 「あとは、20分位待てば肉まんが食べられるね。肉まんを食べながらチョコまんが出来るのを待てばいいから。サラダ、作る?」 「いらない。」 「ふーん、じゃぁ、サラダは明日の朝でもいいか。」 そう言えば、レタスやキュウリを仕入れいていたな。 蒸し器がないから、大きなお鍋でいつも代用してるんだよと話す藤木。 お料理上手なのかと思いきや、蒸し料理は他に何を作るのか聞いた私がバカだった。 茶碗蒸しとプリン。 蒸すけどさ。 タマゴリアンめっ。 そこは、焼売とか小龍包とか言って欲しかったべ。 冷蔵庫の中からコンビニで買った茶碗蒸しを取りだして温めて、スプーンとともにテーブルの上に置かれた。 「食べながら、待とうよ。」 にこにこ笑う藤木に頷いて、そこまで好きとは言えない茶碗蒸しを美味しくいただいたべ。 「まいう~。」 「ふふっ。二人で食べたら何だってまいう~だね。」 藤木め、うまいこと言ったな。 むぎゅむぎゅしたべ。
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