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まだ夜明け前の薄暗い時間に目を覚ますと、隣に藤木がいて規則的な寝息をたてている。
昨夜の余韻が残るような気がする部屋で、昨夜の復習をするように二人の行為を思い出して頬を緩ませ藤木にすり寄り、藤木の体から発せられる匂いを嗅ぐ。
ムラムラすのか、安心するのか。
ワッキーの臭いはお断りだけど、藤木の匂いならウェルカムだ。
「絵里、くすぐったい。」
寝起きらしい掠れたセクシーボイスが耳に届いた。
言われて止めると思ったら大間違いだべ。
好きな人には優しさを。
大好きな人には意地悪を。
鼻を藤木の上腕にグイっと押しつけて、くんくんと匂ってやったべ。
クスクス笑いながら私の鼻から逃げようとする。
「絵里、やめて。やめないと反撃するよ。」
臨むところだべ。
思ったときには、すでに手遅れ。
布団を剥いだ藤木の目の前に晒される私の裸。
もちろん、私の前には藤木の裸。
「うわっ、ちょっ、反撃ってそれかっ。たんまたんま。」
自分の体を隠しつつ、藤木がめくってしまった布団に手を伸ばしたべ。
「はははっ、で、待ったらどうなるわけ?」
藤木の笑い声が耳元に響いた。
私も横を向いて藤木の顔に接近だ。
近い。
物凄く近い。
「コージーが下着を付けてからの方が盛り上がる。」
「ぶはっ、盛り上がるって、何さ。」
今からでもいいでしょって顔をする藤木。
そして、手が伸びてきてるその手を掴んだ。
「私の気持ちが盛り上がるってこと。それと、藤木のご神木もね。」
「ふふっ、それは半分しか当たってないよ。もう僕の方が盛り上がってるからね。」
私が掴んだハズの藤木の手。
藤木の手が私の手を掴み直して誘導された先には、藤木の宣言通りに私に宣戦布告してるシンボル君があった。
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