愛しい時間

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藤木と愛し合って、そのまま腕枕で話していたハズが気が付くと布団に一人、取り残されて隣にいるはずの相手は無人。 きっと、朝ごはんを作っているに違いない。 藤木浩二はそういう人だ。 枕元に畳まれた私のジャージと下着。 脱がすときは早急で乱雑なのに、目が覚めるとキレイに畳まれた状態。 布団に入ったままで、下着に手を伸ばして布団の中でごそごそと下着を身に着ける。 ほんの少し布団がパタパタと動いてしまうだけで、ひんやりとした空気に肌が触れて寒いと思う。 明け方はもっと寒かったはずだ。 だけど、あっさりと素っ裸で隣の物置部屋に下着を取りに行ってたな。 尊敬だ。 自惚れてもいいだろうか。 私が喜ぶから、寒さもへっちゃらで下着を取りに行ったって。 だって、昨日の夜の下着を身につけたとしてもいいところを、リクエストに応えてハート柄だべ。 自惚れておこう。 下着を身につけたら、ジャージだ。 布団からジャージに手を伸ばして、また布団の中でゴソゴソ。 冷え切った下着を身につけたときもブルっときたけど、冷え切ったジャージにもブルっときたべ。 来週は、ジャージを一度、布団の中に入れて温めた後に着ることにしよう。 あぁ、極楽。 この温かい布団から出たくないべ。 もう一寝入りしようかな。
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