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藤木の家に行くときは、自転車には乗らないことにしてるべ。
いつも、帰りに家まで送ってきてくれるから。
慣れないヒールのパンプスで歩いてみる。
疲れるべ。
そんなにヒールが高いわけでもないのに。
そして、他人から見たらどこにでもいるアラサー女性にしか見えないことは重々承知の上だけど、自分の中ではここ数年、見たことがないくらいにイイ女になってるべ。
もしかしたら、電車の中でナンパされたりして。
1ピコメートルくらい、そんな気分だべ。
駅の改札まで来る間に、幾人かの人とすれ違った。
私を見る人は残念ながらいなかったべ。
この程度ではナンパされるほどじゃないことを痛感した。
1ピコメートルは期待値が高すぎたな。
1ナノメートルくらいの期待値にしておくべ。
寒いなぁと思いつつ、赤電車を待った。
そして、藤木が待っているであろう岡崎へ向かう。
赤電車の車窓から、乙川、岡崎公園、岡崎城が見えたら目的の東岡崎駅だ。
何回も見てるこの電車から見下ろす感じで見える景色が、素晴らしい。
春には、公園一帯が桜のピンク色に染まるんだべ。
そして、私は藤木の隣で頬を桜色に染めて、藤木の体に吸引!!!
春まで待てないから、今夜も吸引間違いなしだべ。
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