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「もうっ、本当におバカさんなんだからっ。」
怒っているようで、顔が笑ってるべっ。
にやけてるのが抑えられてない様子にほくそ笑んだ。
寝室にやってきた藤木が、部屋の隅の座卓の目に座ってパソコンを立ち上げる。
藤木の後ろから藤木に抱きついた。
膝立ちで、藤木の首の周りに自分の腕を絡めて、その手を藤木の胸に・・・。
「こらってば、そこはダメっ。」
ダメと言いながら私の怪しい動きをする手を捕まえて
「ここにして。」
と、首の回りに持っていかれた。うん、残念。
「あった。そうそう、けっこう長かったんだよねー。」
過去に何度も千恵さんが参加する第9を聴きに行ったことがある藤木の言葉だ。
「歌のところだけ聴く?」
「じゃぁ、手始めに歌のところだけ聴く。」
藤木に聞かれて答えたら、首にまわしていた手を解かれて、こっちにおいでとばかりに引っ張られた。
私が引っ張られた先は、藤木の前でさっきとは場所が反対になった。
私の後ろに藤木がいて、藤木の手が私の首にまわる。
再生されだした第9の映像を見ながら、なんか違うと思って藤木の手を首から外してお腹の前にくるようにしたら、背中側の藤木が
「ふふっ。」
と柔らかく笑った声が聴こえた。
映像とともに流れる音楽・・・
「音、大きくしていい?」
「あっ、うん、いいよ。全然聞こえてなかったね。」
私の後ろから手が伸びてマウスをカチカチとやってるこの図。
萌えるべっ。
しまったな、自分の手を藤木のマウスの下に置いてあったらもっと萌えたべっ。
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