交響曲第9番

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ひとしきり二人で笑った後に藤木に聞かれた。 「他に聞きたい曲ってある?」 クラシックは私よりも藤木の方が詳しいし、う~ん。 閃いたべ。 後ろを振り返り笑った。 うん、藤木とやったら楽しそうだべ。 「国民的アイドルグループの曲を一緒に歌って踊ろうよっ!!!」 女の子ちゃんが歌って踊るやつだべ。 練習して、いつかイッシーや山根とカラオケに行って披露するんだべっ。 きっと、イッシーが下品な笑いを口元に浮かべて、にやにやすること間違いなしだ。 「えぇっ?僕、そんなのしたことないから分からないよ?」 「だから、ここに映像が出るから真似してやったらすぐに覚えられるって。」 言いながら立ち上がって、毛布を布団の上にポイッと放り、さらにその布団を折り畳んで部屋の隅っこに押しやった。 これで場所はできたべっ。 「センターはコージーで私は横だねっ。」 再生をスタートさせたら、気分はアイドルグループの一員だべっ。 困ったなって言う顔をしてこっちを見てくる藤木の腕を叩いて、アイドルグループの真似をさせる。 観念したように再生された映像と同じように振りつけをする藤木を見て、爆笑だ。 なんか可愛い。 「ちょっ、笑わないでよっ。ひどい。」 笑いながら言われても説得力なしだべ。 「ちょっと、分かってきた気がする。」 一生懸命に踊る藤木。 途中で 「アレ?こう?アレ?」 と、やってる姿も可愛いべ。 映像が終わったら、自主的にまた再生させてるし。 「ほら、エリーも一緒にやってよ。って、何でそんなにうまいのさ?」 「ん?前に先輩の結婚式の余興でやったから。」 踊りながら答えたら、笑ってる。 「へー、楽しそうだね。」 「けっこう、楽しかったよ。イッシーと練習したらイッシーがすっごく下手で。あははっ。」 藤木と同じくらい、イッシーは下手だったべ。
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