交響曲第9番

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パソコンの画面の中で踊る若くて可愛い女の子ちゃん達に合わせて、へっぴり腰で楽しそうに踊る藤木の様子に頬が緩む。 家の中で二人で遊ぶって、けっこう楽しいべ。 藤木と二人だから楽しいってのは、もちろん分かってる。 藤木と二人だったら、何をしても笑いが溢れそうだ。 「あー、ダメ、もう疲れた。頭の中がこんがらがってきた。」 2回目の再生が終わったところでギブアップしたらしい姿。 パソコンの電源を落としてる。 「栄養補給しよっ。おやつは何が食べたい?」 パソコンの座卓の前から私の方に体を向けて、ゆっくり歩いてきて小首を傾げた。 可愛いべ。 食べたいのはもちろん、藤木のバストトップだべ。 吸引したくなってくるけど、でも、そんなことしてたら出かけられなくなるべ。 「ええと、何がいいかなぁ。」 「じゃぁ、冷蔵庫の中にプリンが作ってあるからプリンね?」 小首を傾げて可愛らしく言う姿に吹きだしそうになったべ。 「最初からプリンがあるでおじゃるって言えばいいじゃんっ。」 「ぶはっ、プリンがあるでおじゃるって。僕がなにも言わなくてもエリーがプリンが食べたいって言ってくれたら運命を感じるでしょ?」 笑いながら言われた。 うん、運命ね。 でも、プリンが食べたいなんてこれっぽっちも思わなかったべ。 手を繋いで階段。 登りはイタズラされたけど、降りる方ならイタズラはされないべ。 私でも、降りるときにするイタズラなんて思い浮かばない。 躊躇することなく、藤木が先に降りて行ったべ。 昔ながらの長屋の急こう配な階段。 一段一段の高さもけっこうあるべ。
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