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いそいそとコタツから這い出たら、私の這い出た場所が陰ってる。
そして、目の前に藤木の靴下。
ウンチングスタイルで私を見下ろす藤木がクスっと笑って
「おバカさん。」
と言いながらデコピンをしてきた。
痛くも痒くもない、愛情溢れる優しい一発だ。
そのまま匍匐前進して藤木の靴下に鼻を付けてクンカクンカと匂いを嗅いでみた。
「うわっ、こら、やめてよ。臭いでしょ。」
私の鼻先から藤木の足が靴下ごと抜かれて、立ち上がって逃げて行った。
コタツの上のプリンのお皿とスプーンをカタンカタンと片付ける音が耳に響く。
藤木の後ろを追いかけてもいいけど、おやつも食べてぬくといコタツの中に体が入っててゴロンとなった状態から、コタツの外には出たくない。
本能に忠実になろう。
このまま、少しの間だけ、目を瞑って寝かしてもらおう。
第9で千恵さんの雄姿をちゃんと見るためだべ。
この睡眠は、念のための先行投資だべ。
自分の行動を正当化するための言い訳も揃ったし。
しばし、夢の中へ。
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