交響曲第9番

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無事に自分達の席を見つけて座った。 上着を脱いで、膝の上に置いたべ。 昔、読んだ本の中では、クロークにコートを預けていたなぁと思う。 確か、舞台はアメリカで聴きに行った曲は・・・何だっけ? この程度の人間だな、私って。 ドレスアップの必要なかったべ。 周りの人を見て思った。 いやいや、でも、いつものこ汚い恰好よりも今日のこの恰好の方がいいべ。 走れないのが玉に傷。 私が好きなのは・・・玉×2+ほにゃらら=藤木浩二 ちょっとした計算式を捻りだしている間に会場が暗くなって、舞台には演奏者の皆様が揃っていらっしゃった。 そして、指揮者がいらっしゃって・・・。 第一楽章からのスタートです。 指揮者がタクトをあげると、すぅっと空気が変わった気がする。 昼間に映像で確認したときもそうだったけど、皆の気持ちが一つになる瞬間みたいな感じだ。 そして、始まったべ。 生演奏。 ほうほう。 やっぱり生演奏は違うな。 私のような者の教養レベルでは、クラシックを生で聴くなんてことはないと思っていた。 空気の振動を感じるっていうか、音が生で響くのはやっぱり違うべ。 金管楽器や木管楽器、弦楽器に打楽器の織り成す音の広がりが生で伝わってくるし、金輪際、クラシックを生で聴くような機会に恵まれないかもしれないから雰囲気や空気を味わっておこうと思う気持ちもある。 だけど、映画を楽しむようには、楽しめないべ。 千恵さんが登場したらもっとテンションもあがるんだろうけどさ。 隣の藤木を見てみる。 しまった、ヤラレタべ。 大きな口を開けて普通に欠伸してるべっ。 ヤバイ、ツボった。 バカタレだ。 天下のベートーベン様の作曲された曲を聴いてるのに。 日本で最も有名な作曲家のうちの一人だべ。 そう、滝廉太郎様と同じくらい有名だべ?
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