チラリとポロリの美学

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体を拭いて、ジャージを着用した辺りで、いきなりガラっと脱衣所の扉が開けられた。 「うわっ!!!もぅっ、びっくりするじゃん!!!」 ビクッとして驚いた私を見て爆笑する藤木。 「あははははっ、いつだったかの報復!」 藤木がこんなことをして笑う様子は意外だ。 やりそうにないのに。 「あぁーぁ。もっと早くやらないとダメだったね。あの時、僕なんてもっと脱いでる状態だったんだからさぁ。」 残念そうに言ってるけど、多分、藤木はいい加減、私が着替えただろうと思ったからやったに違いないべ。 「裸で自分の腕で自分の体を隠すコージーは可愛かったね。ふふっ。」 思い出し笑いだべ。 女の子みたいなリアクションを男の人もするんだなって思った。 笑う藤木にイタズラを思いついた。 ネズミ男スタイルの藤木のねずみ色のスウェットは腰回りがけっこう緩いべ。 藤木を見上げる。 まだ、笑ってるべ。 ふふふっ。 こっちを見下ろして小首を傾げた。 まるで、なぁに? と聞くような顔で。 今だっ!!! バッと両手を伸ばして藤木のスウェットのズボンを下げてやったべ。 「わわわわわわっ!!!」 焦ってへっぴり腰になる藤木に私が爆笑してやったべ。 やられたらやり返さないと。
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