藤木浩二の独り言 パート8

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こらこらこらこら。 寝てるはずの絵里の手が僕の胸元をまさぐってくる。 ごろりと体の向きを僕の方に寄せて、手は僕の胸元。 しかもピンポイント。 前も思ったけど、起きてるのかと思うほどだ。 無意識にそれをやってのける絵里は変態だと思うのに、それが面白くて一人で笑ってしまった。 絵里の髪の毛が僕の腕をくすぐってくる。 口元をむにゃむにゃと動かして幸せそうな顔をしてる。 ずっと、隣でいてもらうために。 親に会わせる予定なんてなかったけれども、親に会わせることが出来て良かった。 クリスマスにプロポーズして、うまくいったら、年末に絵里をちゃんと親のところに連れて行こう。 僕がブラをしてたって、それを受け入れてくれる彼女を連れて行けば、もう文句なんて言えないだろうし。 「わわわっ、起きてるの?」 僕の胸を摘まんでクリクリと擦り合わせてくるから起きてるのかと思って聞いたら完璧に寝てる。 絵里は生粋の変態だ。 思わず、頬が緩んだ。 そんな変態ぶりを発揮してるところも好きだ。 ・・・何で、大人しくしてると思ったら、手が僕の下半身に伸びる? しかも、笑ってる? それで寝てるっておかしいでしょ。 寝てるときまで楽しい彼女。 イタズラばかりしてくる絵里の手を握りしめて、僕の肩口にある絵里の頭に口付けを一つ。 そろそろ僕も眠ろう。
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