走るよ 師走

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焼き鳥に手を伸ばして、小さな肉にかぶりつく。 モゴモゴと咀嚼をしつつ。 藤木は私に勝負下着をくれるとして、私は藤木に下着をプレゼントすればいいのかなと思った。 インターネットで男性用の可愛い下着を検索して買えばいいのか。 まだ時間はあるからじっくりと検分して、何枚かプレゼントしよう。 プレゼントしたアクセサリーを身に着けてくれていたら、自分と一緒にいるみたいで嬉しいってやつだべ。 下着なんて、誰よりも近くで一緒にいる感じだべ。 名案だ。 堪らんっ!!! 「ふっ、酔っ払ってる?何してるの?」 我に返れば藤木が左ひじをついて私を見てるべ。 この角度、けっこういいべ。 きついくせ毛の髪の毛とそこそこキレイな肌。 髭は濃くもなく、顔全体のパーツだって悪くない。 どこにでもいるサラリーマン。 「酔っ払ったかな。そんなに飲んでないよ。」 「うん、知ってる。」 クスクスと笑う藤木だって軽く酔っ払いだべ。 「コージーへのクリスマスプレゼントを思いついただけ。」 「エリーが欲しいって、僕、言ったよ?もしかして、首に赤いリボンをつけてくれるの?」 好きな相手と飲んでて、その相手がちょっとばかり酔ってていつもは醸し出さないセクシーな目を向けてきてのこの言葉。 「赤と緑とゴールドでクリスマスカラーのリボンにする。」 「ふはっ、そりゃ楽しみだね。」 目を細めて笑う藤木はひじをつくのをやめて、土手煮をつつく。 似合わないようで似合うべ。 「食べたら帰ろう。遅くならないうちにって言うのも変だけど、遅くなり過ぎないうちに。」 「アイアイサー。」 「アイアイサー。」 私のふざけた返事に同調してる。 やっぱり気分良く酔ってるべ。
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