赤い実 はじけた

2/30

3465人が本棚に入れています
本棚に追加
/539ページ
いつも通りに会社に通って、いつも通りに定時丁度に立ち上がる小鳥遊さんと山田さんを見た後、おもむろに立ち上がって退社する毎日。 ふと、自分の生活を顧みると、単調な毎日だなと思う。 そして、平和な毎日だなと思う。 絶好調も絶不調もなく、ただそれなりに仕事で嫌な目にもあえば、それなりに良い目にも合う。 そう言えば、新藤さんんから来月くらいにまた飲もうってメールもらって、10月も10日が過ぎたのに連絡ないな。 いつ連絡がきてもいいように、借りた本達を毎日持ち歩いてるけど。 自分から連絡するのもなぁ。 飲みに行くのを楽しみにしてるみたいで・・・いや、飲むのは楽しいけどなぁ。 何かを期待してるみたいでそれもなぁ。 だいたい、小学校の国語の教科書で読んだみたいな赤い実がはじけるような経験がないんだべっ。 ちげーな。 ちょっと、赤い実がはじけたような気がしたんだった。 山岸さんと藤木に・・・。 山根、すまん。 山根には、はじけなかった。 山岸さんは爽やかな感じで赤い身がはじけても仕方ないような相手だった。 藤木はヘルメット頭だべっ? でもなぁ、ワキ汗ホルムを嗅いで笑った顔が頭から離れないっておかしーべ。 なんとなく、駅のホームで藤木や山岸さんに会えないかなと思う毎日。 まだ、会えてない。 そして、きっと、これからも会えないと思う。 もしも、会ったら、確実に赤い実がはじけるべ。 こんなところで会えるなんて偶然ですねとかって。 で、オカ研的には。 これは、偶然ではない、必然だって感じになるべっ。 そして、どうせはじけるなら、爽やかな山岸さんの方が絶対にいいはずだ。 でも、藤木にはじけたら、きっと楽しいに違いない。
/539ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3465人が本棚に入れています
本棚に追加