走るよ 師走

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「トミー、悪いけどこれもやって。」 チラッと時計を見たら、あと30分で終業時間だべ。 仕事をくれた主の山田さんを見ると、笑ってるべ。 「大丈夫、大丈夫、昨日の残業の気迫さえだせたら楽勝楽勝♪」 あれは、藤木という起爆剤で原動力があったからだ。 今日は藤木に会う予定もないし、そんな元気はない。 「普通にやりますよ。あれは、半期に一度の決算セールみたいなもんです。」 「ふはっ、半期に一度が昨日だったか。ボチボチやって。」 「アイアイサー。」 仕方がない。 きっと、山田さんは私以上に仕事を持ってるべ。 それを横流ししてくるってことは、それなりに信用されてるってことだべ。 黙々と指先を動かすのみだ。 今日、明日を乗り越えたら土日だべ。 ふふふっ。 何して遊ぼうか、どこに行こうか。 楽しみで仕方がないべっ。 時間ギリギリに山田さんの背後に立つ。 そして、後ろから、バサッと先ほどのお仕事をお返し。 「うわっ、気配を消すなよ、マジでビビったー!」 明らかにビビる姿に笑ってやったべ。 そして、定時丁度に立ち上がった。 山田さんも小鳥遊さんも残業らしいべ。 「お先に失礼します。」 やっぱり、定時あがりはいいべ。 今日は、早急に帰って、インターネットで藤木へのプレゼントを注文するべっ。 可愛い下着をプレゼントするべく、家に帰ってからもパソコンにかじりつくんだ。 地元の駅前のドラッグストアで目薬も買って帰ろうっと。
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