走るよ 師走

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「お刺身が食べたいんだよねー。で、エリーと酔っ払いの大宴会♪」 「忘年会シーズンの先陣を切って、飲みまくって食べまくって乳繰り合うか!!!」 「こらこら、おかしな言葉を混ぜない混ぜない。やっぱり冬って言ったらブリ?」 聞かれてもね? そして、デカいよ? 一尾まるまるだべ。 いや、食べられるか? 食べられなければ明日とかに焼いて食べるのか? 「何でもいいと思うよ。」 適当な返事で悪いなと思いつつ、人が多すぎて早く撤収したい気持ちだべっ。 「すいません、これ、お刺身用にしてもらってもいいですか。」 藤木が店員のお兄さんに頼んでいたべ。 なんとお時間30分待ち。 もしかして、これでもマシな方かもしれないけどさ。 「とりあえず、30分も時間がかかるなら他も見ようか。」 藤木の提案に賛成だべ。 が、早く出来上がったときのためにお魚コーナー付近にいた方がいいというジレンマ。 鮮度抜群の場所から少しずれて冷凍物が置いてあったりする場所は同じお魚コーナーの中でも人気が落ちるみたいだべ。 「あっ、メヒカリだ。これってさ、から揚げにすると美味しいんだよ。」 へぇ~。 「うちの方のスーパーでは見かけない気がする。」 「そっか、三河ではちょくちょく売ってると思うけどね。じゃ、これも買って家に帰ったら唐揚げにするか。」 楽しそうな藤木。 藤木はさかなクンだったんだ。 「ギョピって言ってみてケロ。」 「ふはっ。やめてよ・・・・・・ギョピ!!!」 「ぶはっ。」 言ってくれないと思ったのに、言ってくれたべ。 やばい、腹筋痛くなるべ。 この人が普段は真面目に大企業にお勤めとは、見えないべ。
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