ワキガール

赤い実 はじけた

木曜　１９時　金時計前

早く来い来い、イッシー来い。
そう念じながら金時計前でイッシー待ち。
早く来いっての。

遠目からでもはっきり分かるイッシーの姿。
キタキタキタキタ。

「石ちゃん、こっちこっち。」

手を振ったら睨まれた。
うん、石ちゃんって言ったからだべ。

「トミーって呼ぶよ？」

口元に下品な笑みを浮かべてる。

「すんませんでした、行きましょう。」

いつも通りに目的の場所はスターバックスさん。
エレベーターでグングン昇る。

あぁ、もしも私とイッシーがワキのケアをしないでたっぷりと汗をかいた後にここに乗りこんだら、一緒にご乗車の皆様はどんな顔をするんだろうか。

俺、けっこう好きだよ。

ケラケラ笑って藤木が言ったみたいに言える人っているんだろうか。

しまった、頭の中に藤木が出てきた。

巨大なヘルメット頭の藤木にキュンしてる場合じゃない。