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魚が好きなだけあるべ。
ニギスとやらの腹を躊躇することなく処理してる。
もしも藤木と結婚したら、魚を捌けなくても大丈夫。
藤木がやってくれるに違いないべ。
「よし、できた。じゃぁこれを揚げるから、エリー隊員は粉の係で僕が揚げる係ね。」
手を洗って、バットの中に豪快に片栗粉と小麦粉を投入してるべ。
味付けってしないのか?
「コージー宴会部長!味付けはないんでありますか?」
「ナインでーす」
「ぶっ。あははははっ。」
藤木が右手を頭の上にまわして、体全体で数字の9を形作ったと分かった瞬間のおかしさ。
そして、そんなことをやってしまう藤木が愛しいべ。
嬉しそうに笑ってるべ。
そんなことをするキャラに見えないのに。
フォフォフォフォフォフォフォ!!!
「魚の塩分だけで美味しいよ。それにアカシャエビもそれだけで美味しいし、食べてみれば分かるけどお菓子みたいになるんだよ。酒のつまみにぴったりだから。」
酒のつまみ!
藤木ってそんなにいつも飲んでるのか?
そんなイメージじゃないけどな。
殿、ご乱心!!!
みたいな感じになったりしなさそうだべ。
バットの中にニギスを入れて藤木特製の白い粉をまぶして叩いていく。
「まだ油が熱くなってないから、待機だよ。」
私が粉をまぶして叩いたのを見ていたようだべ。
「よく、作るの?」
「どうかなぁ。食べたいと思ったら作るね。ご飯のおかずにもいいし。魚とタマゴは何にでも合うよね!」
ブッ。
そりゃ、自分が好きだからだべっ!
でも、こんなに純粋に魚とタマゴが何にでも合うって信じて疑わない顔をされたら、その夢を壊したらダメだと思うさ。
惚れた弱味だべっ。
「そうだね、何にでも合うかもしれないね。」
ぐっ、危うく、吹きそうになりながらの返事。
「エリーもそう思ってくれるんだね、嬉しい。」
クッ。
ヤバイ。
これ以上の会話は吹く。
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