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藤木がころあいを見計らって、ガスレンジの魚焼き器の網の上にニギスを置いてるべっ!!!
油を切るために、その使い方、いいべっ!!!
普通にいつも、それ用のバットを使ってるマミーに今度、魚焼き器の網を使ったらベリーベンリーかもしれないって言ってやるべっ!!!
中身のなくなった油の中にニギスを無言でドボン。
ドボン。
ドボン。
チラッとこっちを見てくる藤木を見上げた。
「面白いことばっかり、思い浮かばないってば。」
「ふはっ。エリーなら何か面白いこと言いそうだと思ったけど、そっか、思い浮かばないこともあるんだねっ。」
藤木の笑いの沸点が低いから、藤木はよく笑う。
そんな顔を眺めたいから、楽しいことを思い浮かんだらなって思ったさ。
だけど、そんなことばっかり思い浮かばないっての。
藤木を一生、笑わせてあげられるほどの、底なし沼のような笑いのセンスが欲しいべっ。
「エリーは何部だったの?」
「デブ。」
「ぶはっ。で、本当は?」
体を揺らして笑った藤木に満足感を覚えたべ。
「中学は漫画の影響で卓球部に入部した。」
「あははっ、漫画の影響ってサッカーとかバスケットとかテニスじゃなくて卓球に行くんだっ。」
「それは王道じゃん。高校は弓道部にした。」
「なんで、弓道部?」
「なんか、恰好良いなって思ってさ。ちなみに、大学はオカルト研究会と漫画同好会。」
「ぶはっ。いいよね、オカルト研究会ってさ。大学って感じがする。」
体を揺らす藤木。
うん、藤木だ。
楽しそう。
でも、そこまで面白い話、してないっての。
また、藤木が鍋からニギスを取りだしてる。
美味しそう。
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