3464人が本棚に入れています
本棚に追加
メヒカリのくせに、生意気だべ。
そして、こやつらを揚げたらアカシャエビも揚げないといけないべ。
このぅ。
メラメラと怒りの炎を藤木に分からないように燃えたぎらせて、メヒカリに呪いをかけてやる。
「エリー、こっち向いて?」
藤木の声に順々な犬のように振り向く。
私の口元に差し出された揚げたてほやほやのメヒカリ。
条件反射。
はふはふしながら食べたメヒカリは、想像よりも美味かった。
見た目、ちょっとどうなのかなって感じなのに。
人は見た目じゃないってか。
魚も見た目じゃないってか。
「まいう~!!!」
ふっと笑って、新しいメヒカリを藤木もはふはふしながら食べてるべっ。
「うん、まいう~。今日のはエリーと食べてるから格別だね。」
ウホホホホホ!
そんな私を喜ばせるようなことを言っても、何も出せないべ。
仕方がない、後から藤木を悦ばすべく頑張るしかない。
鼻息も荒く私が不埒なことを考えてるなんて、きっと微塵も思ってないあの顔。
私は、今、煩悩の塊だべっ。
世の中、今の私のやる気くらいにやる気に溢れていたら、少子化なんかにゃならないぜっ!!!
言い過ぎだな。
ちょっとほら吹いた感じ。
「はい、エリー、それ、全部入れちゃって!」
藤木の指示に従って、メヒカリをお鍋に入れる。
そして、アカシャエビに粉をつける。
チロチロと動いてるアカシャエビもいらっしゃる。
生きたまま、推定180度の高温の油の海に泳がされることを想像すると可哀相だべ。
美味しく食べてあげるからね、合掌。
最初のコメントを投稿しよう!