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曇りガラスの向こう側に藤木のシルエット。
脱いでる様子がなんとなく見えて、期待するべ。
私はいったい、何に期待しているんだっ。
……やっぱり‥‥だってさ・・・見るべ?
いやいや、目を逸らすかもしれないべ。
うん、角度を確認した後に目を逸らす。
きっとそうだべ。
無反応だったら淋しいっていうか、ね?
一応、無反応だけは避けて欲しい気持ちがある。
ガラっと扉が開けられ、
「ねぇ、暗いよね?電気、点けようよ。」
ウホッ。
脱衣所の明かりと藤木の体の角度から、確認できた!
二十代だべっ。
そして、目を逸らして、体ごと湯船の中で体育座り。
「あっ、ほら、これ、これならいいでしょ。」
浴槽の縁に置かれた入浴剤の袋。
○○温泉の入浴剤と書かれたモノだべ。
この気遣い。
手を伸ばして入浴剤を確認していたら電気が点けられ、薄暗い光に慣れていた私の目には眩しく思えて一瞬目を閉じた。
その隙に私の手から取られた入浴剤。
「一人で入るときに使おうって思わないんだよねー、忘れちゃうし。あぁ、でも、ないほうがいいかなぁ。」
目を開けて、藤木を見上げるけど、明らかにこっちを見てる。
しかも、顔じゃないとこ見てるべ。
「えっち!」
バシャっとお湯をかけたら
「わわわわっ。」
と、言いながら体の向きを変えたべ。
「男はみんなえっちだよ。好きな女の子には特にね。ふふっ。」
反省の色、なし。
しかも、爽やかにえっち宣言。
好きな女の子には特にねの一言ですべてが帳消しにできそうだ。
フォフォフォフォフォフォ!!!
フォーリンラブ!!!
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