ラストスパート準備 走るよ 師走

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「凄いね、私も見習って何か運動した方がいいかな。」 確かに、10年前とは違うもんなって思う。 体力的に。 何かしないと衰える一方な気がしてきた。 それに、藤木が頑張ってるなら負けていられないと思ってしまう負けず嫌いな性格もある。 それなのに、こっちを見て、クスっと笑って 「夜の運動なら毎週してるから大丈夫でしょ?」 なんて言ってる。 「なっ、・・・。」 思わず、絶句したべ。 なんて恥ずかしいことをサラッと言ったんだ。 「あれ、いつもエリーの方がイケイケなのにね。ふふっ。」 グッ。 自分から押すのは得意だけど、押されるのは、苦手なんだべっ。 「あんまりイジメテ嫌われたら嫌だからこの辺にしておこうかな。」 そんなことを言って、やっと洗いだした藤木。 そう、今まで、手を止めて私の方を恥ずかしげもなく見ていたんだべっ。 藤木の癖の強い髪の毛が濡れていく。 けっこう、伸びたよなぁ。 髪の毛の中から飴ちゃんを取りだされたとき、笑ったなぁ。 しかも、3個仕込んでおいて、1個行方不明で、山岸さんに取りだしてもらってたの、面白かったべ。 また、やってくれないかなぁ。 アフロ頭。 いや、ダメか。 確か、前に山岸さんが社会人らしい髪型にしておけって言ってたような気もする。 今、思ったけど、何で藤木だったんだろう。 山岸さんの方が恰好良いべ? 性格の癖は山岸さんの方が強そうな気がするな。 なにせ、新藤さんの幼馴染だべ。 しかも、大人になっても付き合いが続いてる幼馴染ってめっちゃ仲良しだし。 あの、新藤さんとだもんな。
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