3464人が本棚に入れています
本棚に追加
「他には痒いところはないですか~。」
「うん、大丈夫。」
本当は、あっちもこっちも言ってリクエストしたいけど、痒いところはないし。
また今度だべっ。
頭にお湯がかけられ、髪を洗われる。
こうやって頭を洗われるのって、いつ以来だろ。
ビューティーサロンを除けば子供の頃、親にやってもらったのが最後だべ。
「オッケー完了。ちょっと待っててね。」
私の髪の毛をギュッと絞った後、タオルで頭を拭かれてる。
どこまで、至れり尽くせりだよ!
心の中で突っ込みながらも、背中とか丸見えなんだよなぁと思う。
自分じゃ見えない部分だし。
背中の毛が凄い剛毛だったらどーすんべ。
「髪の毛、縛る?」
「あっ、うん。」
後ろでひとつに緩く縛られたようだべ。
「じゃぁ、お待ちかねの体を洗う時間だねっ。」
「待ってないよ!!!自分でやるよっ!!!」
至れり尽くせりだった藤木の口から発せられた怪しげな言葉。
嫌ってわけじゃないけど、恥ずかしい。
お風呂場は、イチャイチャする場所じゃないべ。
お風呂に入る場所だべ。
ボディソープを手にとってゴシゴシと洗っていたら、背中を優しくタオルで洗われる。
「コージー、一言、言ってもいい?」
「ん、何?」
「チョー気持ちいぃ!!!」
「ぶはっ、おバカさんでしょ。もっと気持ちいいことしてもいい?」
「ダメだよ、やったらコージーの方がおバカさんだよ。」
「ふふっ、それもそうか、あはは。次はエリーが僕の背中を洗ってよ。」
私の右手にタオルを握らせてくる。
恥ずかしいなと思ったけど、振り返ったら、見えたのは藤木の背中。
一応、私が恥ずかしがるから気を遣ってくれてるみたいな感じ。
くすぐったいべ、その気遣い。
最初のコメントを投稿しよう!