ラストスパート準備 走るよ 師走

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「他には痒いところはないですか~。」 「うん、大丈夫。」 本当は、あっちもこっちも言ってリクエストしたいけど、痒いところはないし。 また今度だべっ。 頭にお湯がかけられ、髪を洗われる。 こうやって頭を洗われるのって、いつ以来だろ。 ビューティーサロンを除けば子供の頃、親にやってもらったのが最後だべ。 「オッケー完了。ちょっと待っててね。」 私の髪の毛をギュッと絞った後、タオルで頭を拭かれてる。 どこまで、至れり尽くせりだよ! 心の中で突っ込みながらも、背中とか丸見えなんだよなぁと思う。 自分じゃ見えない部分だし。 背中の毛が凄い剛毛だったらどーすんべ。 「髪の毛、縛る?」 「あっ、うん。」 後ろでひとつに緩く縛られたようだべ。 「じゃぁ、お待ちかねの体を洗う時間だねっ。」 「待ってないよ!!!自分でやるよっ!!!」 至れり尽くせりだった藤木の口から発せられた怪しげな言葉。 嫌ってわけじゃないけど、恥ずかしい。 お風呂場は、イチャイチャする場所じゃないべ。 お風呂に入る場所だべ。 ボディソープを手にとってゴシゴシと洗っていたら、背中を優しくタオルで洗われる。 「コージー、一言、言ってもいい?」 「ん、何?」 「チョー気持ちいぃ!!!」 「ぶはっ、おバカさんでしょ。もっと気持ちいいことしてもいい?」 「ダメだよ、やったらコージーの方がおバカさんだよ。」 「ふふっ、それもそうか、あはは。次はエリーが僕の背中を洗ってよ。」 私の右手にタオルを握らせてくる。 恥ずかしいなと思ったけど、振り返ったら、見えたのは藤木の背中。 一応、私が恥ずかしがるから気を遣ってくれてるみたいな感じ。 くすぐったいべ、その気遣い。
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