ラストスパート準備 走るよ 師走

36/38
前へ
/539ページ
次へ
ほどよくいい気分でふわふわしてきたべ。 ブリのお刺身も美味しいけれども、実は、藤木がてきとうに炒めていた砂肝がめちゃくちゃ美味い。 さっきから、そればかりつついてる。 コリコリしていて砂肝の食感はもともと好きだったけど、これは美味い。 「エリー、他のものも食べたら?」 若干呆れ顔だけどさ。 「だって、これまいう~だから。」 「いいけど。唐揚げも美味しいのに。魚よりも肉派なの?」 ブホッ。 そこか? 肉派か魚派かで分ける部分だったか? 「う~ん、魚も肉も好きだけど、一番好きなのはコージー。」 「はいはい、酔っ払ってるでしょ。」 聞き流されたべっ。 コタツの中で藤木の足をコツンと蹴ってやった。 「何?」 「酔っ払ってるかもしれないけど、一番好きなのはコージー。これは間違ってない。」 「ふっ、分かった分かった。」 ちょっとだけ笑って、そう言った後 「僕もエリーが一番好きだよ。」 真っ直ぐに私を見て、そんな風に言うもんだから。 照れる。 そして叫ぶ。 「フォーーーーーーー!!!」 さらに悶える。 そしたら、藤木も 「フォーーーーーーー!!!」 と叫んで、悶えていた。 酔っ払いのすることだべ。 走ってないだけマトモな感じ。 いや、走っちゃうか?
/539ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3464人が本棚に入れています
本棚に追加