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居間から2階へ、2階から居間へ。
時間にしたら3分もかかってないよね?
もしかしたら、2分もかかってないよね?
「エリー、タヌキ寝入りはしなくていいから。」
絵里の体を揺すってみたら、一瞬薄目を開けたような感じで白目になってお世辞にも可愛い顔ではなかったんだけど。
そのまま、また瞼を閉じてしまった顔が可愛いと思った。
白目からの寝顔。
起きてるときの絵里と寝てるときの絵里のギャップ。
動と静だ。
「こんなところで寝たら、体が痛くなっちゃうよ、絵里ちゃん。」
すやすやと寝息をたてる絵里のほっぺたを突いてみたものの、動く気配はない。
もうちょっとしてから、起こしてみるか。
「誰だよ、睡眠欲と食欲が満たされたらって言ってたヤツは。まったく。」
なんか、モンモンとしちゃうだろ、もう、おバカさんめ。
コタツの上の食べ物を台所に運んで、ラップをかけて冷蔵庫の中にしまう。
洗い物を済ませて、また居間に戻ってみるけど、さっきの恰好と変わらない絵里。
コタツで寛いでる姿は可愛いんだけど、やっぱり体が痛くなるだろうなと思う。
「絵里、ほら、風邪ひくよー。」
揺すっても起きない。
ダメだこりゃ。
2階の布団まで絵里を連れて行くような体力は僕にはないし、布団をこっちに持ってくる方が賢明だな。
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