赤い実 はじけた

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藤木の明日、髪の毛、切って来るって発言を聞いたところでイッシーがやって来た。 「お疲れ―。」 「お疲れ―。」 ・・・おいおい、初々しいカップルしてるんじゃないってーの。 ムズムズしてくんぞ。 お互いに目と目で通じ合ってんぞ。 あぁ、色っぽいってか。 ふと藤木を見たら、目が合った。 ウホっ。 インパクトのある髪型とも明日でさらばか。 アンジーとジェームズの店に興味があるんだけど・・・。 「アンジーとジェームズの店に行くの?私も髪の毛、切りたいんだけど、アンジーとジェームズの店に行ってみたい。」 出来心で言ってみたら、イッシーがのっかってきた。 「ベス、ずるいって、そこ、私も行きたい。髪の毛、切りたい!!!」 「紗那ちゃんが行くなら僕も行きたいな~。」 ウホッ、山根、何気に紗那ちゃんって。 おいおい、ムズムズすんべっ。 「俺も行きたいって。俺だけ仲間外れとか淋しいだろー。明日は勇気も遊んでくれないしー。」 やばい。 大人なのにアンパンマンこどもミュージアム。 そんな新藤さんの弟さんと遊びたいと思う山岸さんは実はエリート商社マン。 いろいろカオスでおかしいべっ!!! 「えっ?ちょっと待った、電話して聞いてみるよ。」 大きな頭の中からスマホを取り出して欲しかったけれども、そんなことにはならずにスーツのポケットからスマホを取り出して電話をしだした藤木。 「あっ、アンジー?」 やばい、普通にアンジーとか言ってる。 相手、日本人なのに。 おかしい、やっぱりおかし過ぎる。 「ええと、僕の知り合いが明日、髪の毛を切りたいって言ってて。予約したいんだけど、えっと、僕も含めて5人。」 「あっ、ちょっと待って。」 アンジーとの電話からこっちを向いて藤木が聞いてきた。 「カットだけ?パーマとかしたい人いる?カラーとか。」 あぁ、出来れば山根の頭をパンチパーマにしたい。 「山根、パンチパーマいっておけよ。」 「えぇっ?ならベスは金髪にしちゃいなよ~。」 山根のおっとり口調がおかしくて堪らんべっ。 「社会人としておかしくない頭にしろって。おかしいのは藤木君だけで十分でしょ。」 あぁ、山岸さんの大人な発言で一応カットのみになった。
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