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その後、運ばれてきたイベリコ豚を見て
「初めてイベリコ豚って名前を聞いたとき、どんな子豚なんだろうって思わなかった?」
そう聞いたら、笑われた。
学のなさを露呈してしまったべ。
いや、でも思ったのさ。
ついでにワインを飲んでいい気分だったからサービス精神旺盛に場を盛り上げようと
「オマール海老って名前を初めて聞いたとき、ニヤッとしたのは私だけじゃないはずだ。」
言ってみたら、藤木が挙手した。
「僕も想像して笑った。」
先月の飲み会ほどはじけてないけど、和やかにご歓談だ。
これはこれで楽しいな。
気が付けばいい気分でふと腕をあげたときに、自分のワッキーの臭いに顔をしかめた。
ウホッ。
ここにいるメンバーにはワッキーなことがバレテるけれども、だからと言って対策をしないのは人としてダメだ。
バッグを持って立ち上がったのは言うまでもない。
「お手洗いに行って参りまーす。」
「ついでに、シュッシュしてこいよー。」
スプレーをシュッシュする動作をしてくるイッシー。
自分がちょっと私よりも臭ってないからって、同じ穴のムジナだべ。
でも、イッシーのことを愛おしそうに目を細めて見て笑う山根に免じてワキ汗ヘッドロックならぬワキ汗ノーズロックは止めておいてやろう。
「僕も連れション行ってきまーす。」
でっかい声で挙手して下品なことを言う藤木に笑った。
「下品だぞ、藤木。」
「オマール海老だからね。」
にたぁっと笑った顔を見て笑った。
この酔っ払いめ。
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