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そこから話題は体臭の話へ。
二十代後半ともなれば、結婚を意識してもおかしくないのかもしれないけれども、私とイッシーは体臭のせいで、痛い思いをしたことがある。
イッシーは、彼氏に
「シャワーを浴びてからじゃないと臭うから」
と恥ずかしい自己申告をしたのにも関わらず、辛抱堪らんな状態で血気盛んな若者だった彼氏にあれよあれよと言う間に襲われ・・・
その燃えるような一回の後、なんとなく態度がよそよそしくなった彼氏に一月後、別れを切り出されたそうだ。
そして、私も自分の臭いってものをちゃんと理解してるから深い仲になる前にはきちんと、事前に報告してから事に臨むのだけれども。
原因がワッキーだけとは限らないけれども、痛烈な一言を浴びて以来、彼氏を作ったことがない。
「やっぱり、ワキガは生理的にキツイ。」
最初からワキガだと知っての交際だったはずなのに。
そして、私と別れる前からそいつが他の女の子に手を出してることも気が付いていた。
怒り心頭の私は、彼氏に静かに言ってやった。
「分かった、でも別れる前に最後に思い出を作ろう。一回だけ、ヤッテおこう。」
どうせ、この後、浮気相手というか、本命に昇格する女の子と約束でもあるんだろうと踏んだから。
別れる彼氏の部屋で自分の荷物をせっせとまとめて無駄にワキに汗をかいた後に、その男を押し倒して、ワキ汗を鼻の頭に擦りつけノックアウトしてるうちにトランクスを脱がせてイチモツをワキに挟んで強烈な臭いをつけてやった過去がある。
「ベスは強いよ。私にはワッキーで攻撃してから別れるなんて思いもよらなかった。」
「あぁ、どこかにいないかな。ワッキーの臭いが好きな素敵男子。イッシーもそんな彼氏なら欲しいっしょ。」
「新藤さんがどんな男の人を連れてくるか、ちょっとだけ期待したらダメかな。」
「んー、どうだろうね。だって新藤さんだよ。」
「だよねー。懐かしいよねぇ。学生のときさぁ。傑作だったじゃん。名大生をコテンパンに振ってたやつ!!!」
ケラケラ笑うイッシーを見て、私も思い出して笑った。
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