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藤木に指定されたのは日曜の午後2時に東岡崎駅南口のロータリー。
時間前に到着して、南口のロータリーを目指すって北口か南口の二つしかねーべ。
コンビニとマックを通過して、ほんのりと広いロータリーに出る。
なるほど、タクシーが停まってるなぁ。
ロータリーのどこにいればいいのか分からないっつー話だべ。
キョロキョロと辺りを見てみるけれども、まだ山岸さんもイッシーも山根も来てないみたいだ。
よくある駅前な感じ・・・。
予備校のビルだか、コンビニだか。
献血ルームだか立体駐車場だか、そんな感じ。
「ベスちゃん。」
後ろから声をかけられ振り返った。
声から分かっていたけれども、山岸さんだ。
ついでに、イッシーと山根もいた。
「こんにちは。」
「うん、名古屋で一緒になってみんなで来たんだ。イセセやりながら。」
ウホッ。
いい大人が特急の中でイセセ!?
しまった、まさか山岸さんに腹筋を刺激されるとは、不覚だべっ。
「山根君ってば、大判焼きを買ってきたとかって匂ってるし俺達、いい大人なのにけっこう特急の中で浮いてたかも~。」
大判焼きが匂ってなくてもイセセの時点で絶対に浮くって。
よく分からないけど、さすが新藤さんの幼馴染だ。
オサレな大人の休日スタイルなのに・・・。
足、長いべ?
スーツのときも思ったけど、休日スタイルも恰好いいべ?
チラリ。
同じような恰好してるのに、山根と山岸さんだとオサレ度が違って見える。
♪なんでだろう~ なんでだろう~ なんでだ、なんでだろう~♪
「あっ。あれじゃない?藤木君の車。青色のマツダCX5に乗ってるって言ってたし。恰好良いな~。」
山根の言葉にロータリーをぐるっとまわってタクシーがいない空いたスペースに停まった車を見た。
へぇ。
あれが藤木の車か。
なかなかいい趣味してんな。
2割増で浮足立った気分だ。
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