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そうだ、アレは確か入学してしばらくした頃のことだ。
新藤さんのお友達のリンリン先輩が名大生と合コンするって言いだして嫌がる新藤さんに初めての合コンをセッティングしたんだった。
「面白かったよね。新藤さん。リンリン先輩がいつもと違うインパクトのある恰好で来いって新藤さんに言ってさぁ。」
思い出し笑いでケラケラと笑うイッシー。
「うんうん。いきなり全身緑色のジャージで登場したんだよねっ。なんだっけ、テレビでラッキーカラーが緑って言ってたからとかって!!!」
思い出したらおかしくなってきて、私もテーブルをバンバン叩いて笑った。
「しかもさぁ、ラッキーアイテムが眼鏡って言ってたとかって真面目な顔してサングラスかけたじゃんっ!!!」
あの怪しい姿だけは忘れることができない。
リンリン先輩も止めればいいものをゲラゲラ笑いながらそのまま合コンに向かったんだった。
「何が起きたか、一番見た目がまともそうな名大生に今度、デートしませんかって聞かれて、生まれて初めてのデートは好きな人としたいからダメですって大真面目に答えてたよねー。」
懐かし過ぎて口から泡を吹きそうになる。
「あー、なんか合コンって言うか久しぶりに新藤さんに会えるのが楽しみになってきたー。」
笑いをおさめたイッシーの言葉に私も頷いた。
そうだ、ワキガを愛してくれる男性なんてそうそうお目にかかれないだろうけれども、新藤さんほど素でおかしい人もそうそうお目にかかれない。
「だよねー。新藤さんに会えたら、元気になるね。絶対に。あぁ、そうだ、もう一人のメンバーはナンちゃんにしたから。」
学生時代の後輩で、見た目が小さくて声がアニメ声。
隠れ巨乳の眼鏡っ子で見た目からして萌え萌えだ。
そして、彼女もまた軽いワッキーだ。
「あー、ナンちゃんかぁ。ナンちゃんも新藤さんもリンリン先輩の結婚式の二次会で会って以来だから凄い懐かしー。明日が楽しみだー。」
イッシーが楽しそうに笑った姿を見て、男なんていなくても楽しく生きてるぞと思って笑った・・・ワキ汗パッドがワキからポロッと落ちた姿をイッシーに見られて、彼女はさらに笑った。
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