3464人が本棚に入れています
本棚に追加
むらむらこさせるような記事を読まされ、たまに鏡を覗くと、手際よく髪の毛が切られてる。
凄く感じが変わったと思う。
「はい、じゃぁ、前を切るからちょっと目、閉じててね。」
おかしな気分だべ。
鏡の中の私は、確かに私だけれども、いつもの私じゃない。
たまに行く家の近所の美容室もいいけど、ジェームズはもっといい気がする。
「はい、目、開けて見て。どう?」
いつもよりも、少し多めにとられた前髪の感じも襟足を長めにしつつもスッキリとした長さになってる横の髪の毛の感じも、いいと思った。
「お任せにして良かったです。」
思わず、笑った私を見て、ジェームズが鏡越しに笑った。
その顔を見て、アンジーがジェームズのことを好きなところはこういうところなのかと勝手に想像した。
その後、ジェームズの手によって髪の毛を洗われ、髪の毛を乾かされ、最後に仕上げで手直しされて終わった。
・・・心地よい疲れが。
いつもと違うことをすると、ちょっと疲れる。
が、ジェームズは元気いっぱいで次はイッシーを指名していた。
そして、じきに藤木が戻ってきて山根が指名されてアンジーの元へ。
目の前に座った藤木も変身してる。
爆発ヘルメット頭とは全然違う。
オサレ坊主みたいな短さになってる。
坊主よりも髪の毛は長いけれども、クルンとした感じがあってちょっと可愛い。
「僕、けっこうきつめの天然パーマなんだよね。」
私の視線に気が付いたかのように頭をふって説明してくれた。
爆発頭が大きく成長していたけれども、根本の部分もちょっと爆発気味だったのか。
発見だ。
「そうだよなぁ。藤木君って言ったらアフロなイメージだけど、そう言えばアフロになる前もくるくるしてたもんなっ。月曜日に会社に行ったらイメチェン成功でモッテモテだったりしてね。浩ちゃん♪」
「ちょっ、山岸さん、浩ちゃんとかってやめて下さいよ。」
じゃれ合う大人二人。
藤木の誰にも言えない秘密ってもしかしたら殿方が好きなんじゃ・・・。
深イイ仲になってからの告白。
実は女の子も好きだけど、男の人も好きで。
女の子の中では君が一番好きだけど、男の人の中では○○さんが好きでってカミングアウトされたら・・・。
藤木の秘密ってこれなのかな。
最初のコメントを投稿しよう!