宇宙一美味しい焼き肉店    肉の石川

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初めて飲んだチャミスルという焼酎は美味しいんだか美味しくないんだか分からないけれども、癖になる。 アルコール度数が強そうだけれども、楽しい時間にそんなことは関係ないべ。 マッコリはちょっと好きでない感じだったからそのままイッシーに横流し。 イッシーは特上ステーキのときにはあまりの美味しさに言葉を無くしていたけれども、他のお肉が来たところで我に返ったようで 『まいう~』 を連発してる。 で、せっかくだから酔っ払ってるアンジーにいろいろとお話を聞きたくなるのが飲んで食べてる席ってわけで。 「アンジーとジェームズは、お客さんの耳をグリグリしたときにタオルに耳垢がついてコイツ、耳垢がウェットだって気が付いたとき、どんな気持ちになるの?」 聞きたかったことを聞いてみた。 本音が知りたいなと。 近所の美容院の人は気にしないって言ってくれたけど、ホントのとこはどうなんだろうと前々から思っていたから。 「何にも思わないって、違う、仲間だと思って、私はちょびっとテンションが上るかもー。」 話し方が緩くなってるアンジーのこの言葉はリップサービスでもなんでもなさそうで、嬉しくなった。 「俺も気にしないなー。ベスちゃんは気になるの?」 「はい。なんか、気になるんですよ。」 「お金払ってるお客さんがそんなこと、気にしたらダメだよなぁ、アンジー。」 「そうそう、お客さんが来なかったらこうやって美味しいお肉も食べられないし、楽しい時間も過ごせないもの。気にしちゃダメよ。」 その言葉が、本当に嬉しかったべ。 酔ってるせいかもしれないけれども、自分のワッキー体質を知れば知るほど気になっていた耳垢ウェッティ。 人様が使ったイヤホンをつけるという行為さえも抵抗があってできないから、彼氏と一緒に片耳ずつイヤホンをつけて音楽鑑賞なんて青春の一ページが存在しなかったなぁ・・・。
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