VS VS VS?

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兎にも角にも島田さんちの撮影を終えてから、M夫と向き合おうと思っているのに、やけに視界に入ってくる奴に、うんざりしながら声をかけた。          泣くなら泣くことだけに集中しろ。 僕の動線にチョロチョロ入ってくるな。                     僕『撮影終わるまで待ってろ、話は聞くから。』           M『メリーちゃんが、ここに、いろ、うっ、グスッって。』          僕『どうでもいい。端っこで泣いててくれ。』                   上目遣いでエグエグ泣かれても、僕のハートにはちっともズキュンとこない。          あーもーめんどくせぇなぁと、腕を引いて折り畳みイスを移動させ、スタジオの端に座らせた。          入学式で使い果たしたから、顔を拭いてやる物がないなと辺りを見回すと、どういうわけだか、未使用のトイレットペーパーがテーブルに置かれていて、これでいいやと、そのまま渡す。                    M『うぅ、ひどいです、島さーん!小夜子さんと同じ扱いにしてくださいぃー!』          僕『できるか、馬鹿っ!!』          M『馬鹿ってゆう人が、馬鹿なんですうぅー。』         僕『黙って泣いてろっ!!』          M『黙ってたら、泣けませぇぇん!』         僕『あーもー!うるせーっ!!そこで泣いとけっ!!』          M『横暴ですぅぅぅ。』                    これ以上関わっていたら憤死する。 まだ何やら訴えるM夫を黙殺して、撮影会の輪に入って行く。            あっくんと陸人のツーショットを撮るようで、ランドセルを背負った二人が、満面の笑みでカメラを見つめていた。          
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