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殿様気質の二人だが、陸人はあっくんより気配りがある。それはもしかすると、父親と義祖父の軋轢によるものかもしれない。そう考えたら少し胸が痛む。
写真館への道すがら、盛大に乱ちゃんへ文句を言いながら、前を歩く新一年生二人を眺めた。
乱『あちらが話しかけてきたのよ。それに同じクラスなのにツンケンするのってどうなの?』
僕『構わない。』
乱『構うでしょ。』
僕『「うちの奥さんは超弩級の人見知りですから、そっとしておいてやって下さい。」って、明日から校門のとこで、演説するから構わない。』
乱『あっくん登校拒否すると思うけど?』
僕『僕を乗り越えてこその成長だ。』
乱『あー、はいはい。』
後ろから「小夜子さん、大変だね」と、小田さんの囁きが聞こえるが、僕は譲らない。
話さなくていいったらいいんだ。
その後もブツブツ言ってる間に、写真館に到着した。
途中から「あーはいはい」って、合いの手しか聞こえなくなったけど。
半『おせーよ、腹へったよ。』
半藤さん。
あなたカロリー消費するようなこと、朝からひとっつも!してませんよね?
僕達が出る時、布団敷いて寝ようとしてましたしね。
僕『一時間で終わるから。』
着替えがないから、今回はそんなに時間を食わない。
小田さん達も撮りたいと言うので、多目に時間設定をしたが、実際は40分位で終わるだろう。
赤い男も、怖い男も、謎な男も、僕の両親も、花さんも勢揃いのスタジオに、おいちょっと待てのシシーと、えぐえぐ泣いてるM夫がいて、踵を返して帰りたくなった。
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