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結婚式に参列する時、白の服を着ちゃいけないっていうのは、一般常識だと思う。
男の場合、白のスーツなんぞ着て行くことはまずないから、主に女性向けマナーだ。
つまりあれだ、あれ。
主役を食っちゃいけませんってこと。
シシー、大食いだよ、そのドレス。
どこで売ってんだ、そんなの?
うちの両親のアホさ加減に、泣きたくなる。
シシーが着たいと言ったって、止めるのが君達の役目であろう。
エグ夫、いやM夫は見なかったことにして、お袋の背中をつつく。
いっぺんに両方は、処理できない。
僕『何だよ、あれ?』
袋『早く着いちゃったから。』
僕『理由が意味不明だよ、おかしいだろ?』
シシーに聞かれないようにこそこそ話しているから、消化不良気味だが、主張するとこはしておかないと、どこまでもズブズブになってしまう。
袋『だあって、写真館の人が「試着してみませんか?」って。』
僕『え?あ、なに、そういうこと?んじゃ着替えさせて。昼飯の時間があるから。』
袋『は?あのままでいいじゃない、可愛いから。』
僕『可愛いけど、おかしいだろ?仮装大会じゃねぇんだぞ。』
袋『乱ちゃんがいいって言ったら、あのままで行くからねっ!!もーっ!!』
何で急にキレんだ?
強弱おかしいし、乱ちゃんが駄目っていう筈ねぇんだよ。「それはそれで面白いじゃない」とか言うに決まってる。
そしてそんな乱ちゃんのことを把握しているお袋は、まんまと許可を取って、満面の笑みで僕にピースサインをしている。
フツーに写真撮って、とっとと撤収したい。
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