離婚

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家に入った瞬間 いつもと違うことに気づいた。           下駄箱が開けっ放し。           奥さん自慢じゃないが 乱ちゃんは 家のカギはかけなくとも こういうことは、しない。           開けたら閉める人。          家のカギは、その限りにあらず。           泥棒?           それならおばさんが 電話の時点で言うだろう。           あれ? 納戸も開いてる。          納戸を覗くと 僕の安全長靴(新品ストック)の空き箱が 雑に置いてあった。        長靴は、ない。 それから横にガムテープ。                       そして、 血まみれのバスタオル。                       何だよ、これ?                        もう、悪い予感しか、ない。                      『あら、早い。』             僕『はるちゃん。』            後ろから声をかけたのは はるちゃんだった。                    は『なんで、泣いてんの?』                僕『何でじゃないよ!これ見てよ!』            は『あーららー。』           僕『あらら、じゃないよ!何があったんだよ!!』            は『知らないのよねぇ。ただ小夜からメールが来てさ。『家、片付けて、鍵しめて』って。』                       はるちゃんが メールを見せながら 僕に伝えた。            はるちゃんは、嘘をついてない。 すぐに分かった。            これだけの説明でも はるちゃんは、乱ちゃんの頼みを聞く。           乱ちゃんが困ってるだけで はるちゃんの動く理由としては 十分だから。                      
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