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同じ頃、夏目総合病院の裏に建つ3階建ての洋館では、朝から母親の淳子が慌ただしく動いている。
「爽太!恭平君を起こしてきて!」
夏目家の長男爽太は、高校2年になる。
父親譲りの端正な顔立ちで、近隣の女子高生たちにも知れ渡るほど。
母親に頼まれて、仕方なく恭平の部屋に向かった。
コンコン!!
ノックをすると、中から「はい。」と返事があった。
「起きてるか?メシだぞ。」
「はい。今いきます。」
部屋から出てきた恭平と呼ばれる人物は、色白で体の線が細く、一見すれば女性と見間違えるほど綺麗な男の子だった。
しかし…
「オス。…相変わらず、しけた面だな…。」
「おはようございます。」
恭平は、表情を変えず爽太に挨拶をし、1階のリビングに向かった。
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