微熱

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  「へえ、決まったの。 早いじゃない」 デスクに いつもの缶コーヒーを 置いてくれながら、 さくらさんは感心し言った。 初対面のあの日から 早10日、織部先生とは 新しい連載のテーマを 絞り込んでいた。 冬から始まる予定の 織部先生の連載の 準備期間とはいえ、 あたしは普段の業務に 彼の相手が加わったわけで。 担当作家を持つ 先輩や同僚が“お守り”などと 揶揄するのが判る気がする。 織部先生との打ち合わせは 主に電話だけど、 顔を見て話さないと 伝わらないことばかり 言うものだから、 近いこともあって、 あたしは織部先生の部屋に 走ることが増えていた。 .
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