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慌てながら電話を切り、
急いで仕度を整え
ここを出ていくあたしの姿が、
編集長には楽しくて
堪らないらしい。
それをあしらう気力もなく、
暇を見てはぐだぐだと
休憩する。
さくらさんは、
それでもメイク崩れを
起こさないよう
頑張っているあたしを見て笑った。
「笑いごとじゃないですよ……」
「でも、楽しそう」
「楽しいって言うか、
織部センセイってば、
慣れて来るととにかく変わってて……」
「へえ?」
いつもフラリと
外に出たまま戻って来ない
隣の住人のデスクに
軽く腰掛けると、
さくらさんはにこにこと笑う。
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