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「騒いでいる程度ならまだしも、高校生がタバコと言うのは…、少し格が違いますからね。」
教頭が重苦しくその言葉を口にする。
「ええ…、そうですね。
生徒がそう言った違法行為をしているとなれば、学校の責任も問われますし、他の保護者の方からもお叱りを受けかねない。
早急になにか対策を取らなくてはなりませんね。」
その横で、それまで黙っていた校長が淡々と告げた。
その様子が返って事の重大さを強調し、私はゴクリと喉を鳴らす。
「仰る通りです!
今日中に全員、抜き打ちで持ち物検査を行いましょう。それが一番ですよ!」
力強く言ったのは、生活指導の桑野先生。
年齢は教頭と同じくらいだろうか。
強面で、その役職どおり生徒に厳しく、いい意味で恐れられている。
「……ええ。そうですね。桑野先生のおっしゃる通り、それがいいかも知れません。」
校長のその言葉は、持ち物検査の実施が決定したことを意味していた。
それぞれ担任を持つ教師の空気が、ぴりっと張り詰める。
「今日はちょうど、ホームルームがありますね。持ち物検査はその時間にしましょう。」
校長の言葉に、各々が「はい」と低い声で答えた。
私もそれに余ることなく、返事をする。
「そうですね。その時間、私も見回るようにします。
目撃されているのは男子ですが、女子も含めて全員調べましょう。
いやあこれは、もしかしたら。この機会に思わぬ悪餓鬼を見つけることになるかもしれません。」
意気込む桑野先生の声が、静かな職員室に不穏な空気をまとって響いた。
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