第1章

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「ふぅ……」 いつもこの瞬間は緊張する。 G組の扉の前に立ち、胸に手を当て深く深呼吸する。 よし。 ガラッ 扉をあけた瞬間 バシンッ!! 私が開いた扉に向かってバスケットボールが飛んできて大きな音を立てた。 条件反射で瞑った目を、恐る恐る開いた。 バウンドして戻っていったボールを誰かが拾う。 「ちょっと、教室でボール使うの、やめてよ!」 「あ?そんな校則、どこにあんだよ。」 「優等生ぶっちゃって。かわいくねー!ひゃははっ」 飛び込んできたのは、黒板前の教壇付近でバスケットボールを投げ合う男子生徒二人と、その前に仁王立ちで立ちはだかる女子生徒。 「羽島君、五十嵐君、川島さん。席につきなさい。」 「先生!この人達、ちゃんと注意してくださいよ!」 「あ?だからお前は何様なんだよ?」 「ウザーー」 私の注意が逆効果をもたらし、ますます口論がヒートアップする彼ら。 「大体、こんなとこでボール使ってたら危ないでしょ!さっきだって先生にぶつかりそうだったじゃない!」 「はぁ?こんなボール当たったところで大したことねえよ。」 「てか教室の使い方はお前が決めてんの?クラスメート一人ひとりに自由に使う権利があるんじゃねーの?」 「ちょっと、いい加減にしなさ」 「先生!もうこれ、何度目ですか?放っておいたらまたやりますよ?」 「だから、てめーに言われる筋合いはないっつってんだよ!!」 ガツンッ!!
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