26人が本棚に入れています
本棚に追加
帰ってから作るのダルいし、なにか食べれる物買って帰ろう。
私の足は自然とコンビニの明かりに吸い寄せられていた。
お弁当コーナーに暫く立ちすくみ、残り少なくなった品物の中から良さそうな物を探す。
あ、そうだ。
缶チューハイでも買っていこう。
仕事をやりきった達成感からか、珍しく一杯飲みたい気分になった。
ドリンクコーナーの端、アルコールコーナーの前へ行き、またお酒を吟味する。
……と、隣の冷蔵庫のドアを開ける姿が、ウチの高校の制服だと気づく。
反射的に顔を見上げた瞬間、向こうもこちらを見てバッチリ目が合ってしまった。
「…え…」
そこにいたのは、佐々木君だった。
間違えるはずがない。
目の冴えるような金髪と、綺麗な緑がかった瞳が私を見下ろしていたのだから。
咄嗟に、彼が手に握っているカップ麺を見下ろす。
「夕飯、それ?…おうちでは出ないの?」
最初のコメントを投稿しよう!