第2章

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帰ってから作るのダルいし、なにか食べれる物買って帰ろう。 私の足は自然とコンビニの明かりに吸い寄せられていた。 お弁当コーナーに暫く立ちすくみ、残り少なくなった品物の中から良さそうな物を探す。 あ、そうだ。 缶チューハイでも買っていこう。 仕事をやりきった達成感からか、珍しく一杯飲みたい気分になった。 ドリンクコーナーの端、アルコールコーナーの前へ行き、またお酒を吟味する。 ……と、隣の冷蔵庫のドアを開ける姿が、ウチの高校の制服だと気づく。 反射的に顔を見上げた瞬間、向こうもこちらを見てバッチリ目が合ってしまった。 「…え…」 そこにいたのは、佐々木君だった。 間違えるはずがない。 目の冴えるような金髪と、綺麗な緑がかった瞳が私を見下ろしていたのだから。 咄嗟に、彼が手に握っているカップ麺を見下ろす。 「夕飯、それ?…おうちでは出ないの?」
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