第2章

21/22
前へ
/100ページ
次へ
「母親、帰ってこないし。」 「そっか…。 いつも夕飯コンビニで買ってるの?」 「…まあ、母親が仕事の日は。」 「もうちょっと、栄養あるもの食べないとダメだよ? せめて野菜とかも一緒に…」 「っせーな。」 低く苛立った声が聞こえて、はっと口を噤む。 しまった。 特に深く考えず、ありきたりなことを言ってしまったことが、少しだけ恥ずかしくなる。 何かもうちょっと、マシなこと言えればよかったんだけど…。 「そーゆーアンタも、コンビニ弁当なんじゃなくて?」 「あ……」 言われて少しだけ頬が熱くなった。 彼の視線が、私の手元のお弁当に突き刺さる。 私も、人のこと言えなかった。 やっぱりコンビニで生徒に出くわすのは考えものだな…。 気をつけないと。 それよりも、感じた違和感にすかさず口を開く。 「あと、私のことはアンタじゃなくて」
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加