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「あー、はいはい。『センセー』ね。」
少しだけにやっとしてそう言うと、彼は踵を返しレジへ行ってしまった。
『センセー』ね…って。
なんかバカにされているような気がするのは気のせいだろうか。
いや、私は教師で、相手は高校生なのだ。
もっと威厳を持っていい。
そう思い直すと、また買い物を再開した。
買い物を終えて外へ出ると、少し肌寒い春の風が頬をなでた。
キョロキョロと辺りを見回しても、佐々木君の姿は見えない。
もう帰ったか。
そう思い、自宅へと足を向ける。
あ、そう言えば。
物理の課題提出は間に合ったんだろうか。
こんな所で出くわしたことに驚いて、すっかり忘れいていた。
まぁ、あの様子からすれば、きっと間に合ったのだろう。
そう思い直す。
しかし、コンビニの食事が日常茶飯事となると、健康にも良くない。
せっかく育ち盛りなのに。
でも母親が仕事でいないんじゃ、難しい。
男子高校生に自炊させるというのも得策ではないだろうし。
何とかしたいけど、どうしたらいいのかわからない。
今度飯島先生にでも相談してみようか。
そんなことを思いながら、夜道を家へと歩いた。
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