第3章

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正直写真のことが気がかりではあるけど、今のところ私が扱き使われる程度で済んでいるし。 このまま、何事もないといいな。 「このまま、何事もないといいですねっ」 「……!はい。」 思っていることと同じことを言われ、少しだけびっくりしてしまった。 まさか、一生分かり合えないと思っていたあの田口先生とハモってしまうとは。 その時、すぐ外でバタバタと生徒の足音がして、教師達が皆不穏な空気に顔を上げた。 ……なんかこんなこと、前にもあったような… 程なくしてがらっとドアが開く。 「大変です!2年G組の生徒が喧嘩してます!」 あぁ…… どうして、やっぱりこうなのだろう…。 ほんの数秒前に抱いていたささやかな希望が、ものの数秒で見事に砕け散ったさまに、ため息も出ない。 「春奈センセ…」 「…行かなきゃ。」 私は食べかけのお弁当に蓋をはめ、おもむろに椅子から立ち上がった。
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