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「どうしたのっ!?」
走ってはいけない廊下を早歩きで過ぎ去り、教室にたどり着くなりドアの近くにいた生徒に尋ねる。
「先生っ」
振り返った生徒が私の姿に安堵を覚えると同時に、私は教室後方に視線を走らす。
無操作に退けられた机や椅子に、ガツンガツンと当たりながら、取っ組み合いの喧嘩をしているのは、やっぱり佐々木君と………
あれは、他クラスの男子?
黒い短髪のその男子は、咄嗟には名前が出てこない。
「何があったの?」
もう一度そばにいた女子生徒に聞くと、
「…休み時間になったら、急に柏原君が教室に入ってきて」
「いきなり佐々木君に掴みかかったのっ!そっからあんな取っ組み合いに…」
その隣にいた生徒が、続きを引き継いで私に伝えた。
つまり、仕掛けてきたのは向こう…。
それに思い出した、あの男子。
C組の柏原真也(かしわばら しんや)。
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