第3章

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わりとチャラチャラした印象で私の中に記憶されている男子生徒。 けれど、今までこれといって問題を起こしたことは無かったはずだ。 それに、佐々木君と接点があったなんて知らなかった。 部活は…、違うはずだし、去年同じクラスだったとか? 急いで頭を回転させ、二人の接点を探ろうとするが、ぱっとはわからない。 その時、取っ組み合うふたりの横で、女子生徒が数人群がっていることに気づく。 あれは、誰かを数人で囲んでる……? 少し目を凝らしてみると、中にいる生徒が俯いているのを、数人が慰めているようだ。 私は急いでそのそばまで行くと、取り巻いているひとりの肩に手を当て、「どうしたの?」と問いかけた。 私の声に、周りの生徒がいっせいに振り返り、中にいた女子の顔が見えるようになる。 そこにいたのは、明るい茶髪ストレートを揺らして泣いている、優木さんだった。
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