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第一章「彼はハンド部のエース」
わたしは男運がいい、
というか、
正確に言うとちょっと違くて、
…例えばイイナって思っていたりすると、
苦労することなくチャンスがまわってきてくれたりする。
で、
けっこう親しくなれたりする。
でもたいがい友達で終わる、
恋愛には至らないからやっぱ運がいいわけじゃないのかな。
わたしは県立高校の１年。
入学してすぐクラスの生徒協議委員をやるはめになり、
でもそのお陰で一緒に委員になった函田くんと仲良くなっちゃうし。
（彼は結構な人気者で競争率も高い！）それから、
一つ先輩の多田さんとは、
体育館掃除の時偶然一緒になって、
すっげえ楽しく椅子運びとかしちゃって。
それ以来、
廊下で会うと、
ニコッとしてくれたりするんだ。
彼はなんてったって、
顔に間違いのない、
整ってる系の美形で、
超モテなのは言うまでもない。
そういう人たちとなんってことはないが「お知り合い」してるので、
ほかの女の子から「美紗っていいなあ」って言われちゃう訳。
（エヘヘ、
ちょっと優越感かな！）
で、
前置きが長かったけれど、
もうひとつ高瀬拓実さんもその一人。
タクミさんは１年先輩、
ハンドボール部のエースで、
それだけでも目立っているのに、
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